やさしい甘味とほろ苦さ「ゆり根」
ゆり根はその名の通り「百合(ゆり)」の球根(鱗茎:りんけい)です。白い鱗片がいくつも重なっていて、サイズは6~8cmくらい。一見にんにくのような姿ですが、ホクホクとした食感で、やさしい甘味とほろ苦さが特徴です。一般的な家庭料理のほか、料亭やレストランの季節食材としても需要があります。
ゆり根は秋から冬にかけてが旬。主産地は北海道で10月頃から出荷が増え始め、最盛期は12月頃です。とてもデリケートで傷が付くと変色しやすいため、基本的に店頭ではおがくずの中に入った状態で販売されています。
ちなみに、ゆり根を食用としているのは日本や中国など一部の国だけのようです。食用として利用されるのは、コオニユリ(小鬼百合)やオニユリ(鬼百合)、ヤマユリ(山百合)などで、中でも苦味の少ないコオニユリが主流になっています。
選び方のポイント
全体が白くふっくらとしていて、鱗片が大きく張りがあるものを選びましょう。また、重みがあり、実がしまっているものがおすすめです。変色や黒ずみが多いものや傷があるもの、しなびているものは避けましょう。
ただ、ゆり根はおがくずの中に入っていることが多いので、状態がわかりにくいこともあります。
保存方法
おがくずの中に入った状態のものは、そのまま冷蔵庫の野菜室へ。おがくずでゆり根が完全に隠れるくらいの状態がベストです。保存状態がよければ1か月ほど日持ちするようですが、なるべく鮮度のよいうちに食べましょう。
ゆり根は乾燥に弱いため、おがくずが乾燥してきたら、霧吹きなどで軽く湿らせます。ただし、ゆり根自体が水にぬれてしまうと傷んでしまうので、ぬらさないように注意してください。もし水にぬれてしまったらできるだけ早く使いきりましょう。
食べ方
蒸し物、和え物、煮物、揚げ物、甘露煮、きんとん、スープなど
ゆり根は鱗片を1枚ずつはがして、蒸したり煮たりして食べるのが一般的です。鱗片をはがしておがくずなどをきれいに水で洗い流し、変色した部分があればカットしておきましょう。
ほろ苦さは、下ゆですることによってやわらぎます。ただし加熱しすぎると崩れてしまうので、下ゆでする際は短時間で(1~2分程度)であげるようにしましょう。ゆでるときに少量の酢をお湯に加えると、きれいな白色に仕上がります。
茶碗蒸しや含め煮、和え物などがポピュラーですが、天ぷらや唐揚げ、炒め物などにしても美味。甘みをいかして甘露煮やきんとんにしたり、下ゆでしたものをミキサーにかけて深みのあるポタージュスープにしてもよいでしょう。
<野菜ナビWEBサイトより一部抜粋>